第五計 趁火打劫 (火に趁んで打劫す)

第五計 趁火打劫 (火に趁んで打劫す)

  火事場の混乱につけこんで泥棒を働く。

 

  「趁」はつけこむ、「劫」はおしこみ、強盗の意。「打」は動作を行う意。

 兵力に圧倒的な差があり、敵が弱体化しているときには、躊躇なく一気に攻める。

 典型的な「勝戦の計」です。

 

  解:敵の害大なれば、勢に就きて利を取る。剛の柔を決するなり。

  敵の損害が大きい場合には、その形勢に乗じて一気に利益を取る。

 剛強な者が柔弱な者を圧倒するのである。

 

  「剛の柔を決するなり」は、「周易」夬卦のことばです。夬は決断、押し切るの意。

 類義語として、「乗火打劫」「趁晎打劫」なども使われます。「哄」は騒乱の意です。

  この計謀を仕掛けられないようにするには、「火」だねを消さねばなりません。

 つけこまれる火種があると敵はそれに乗じてきます。弱い者ほど、戸締りを厳重にし、

 火元を確認し、一致団結して事に当たらなければなりません。

  (孫子・三十六計 角川ソフィア文庫 より)

 

  弱くなってきるときほど付け込まれます、そんな時こそ防御しておかなくては

 なりません、忘れないようにしたいです。