三十六計 第1計 瞞天過海 (天を瞞きて海を過る)

第1計 瞞天過海 (天を瞞きて海を過る)

 白昼堂々、天子を欺いて海を渡る。

 

  昔、唐の太宗が高麗に遠征した際、海を怖がって乗船を拒みました。

 そこで張士貴というものが一計を案じます。巨大な船に土を森、家まで

 作ってしまったのです。皇帝が安心している間に巨大な船は海を渡り、

 高麗まで到着したそうです。明の時代の百科全書「永楽大全」に記された

 故事で、大きな奇策ほど有効という意味を表します。

 

 解:備え周ねければ則ち意怠り、常見れば即ち疑わず。陰は陽の内に在り、

 陽の対に在らず。太陽は、太陰なり。

 

  周到な準備に安心していると逆に怠慢の気持ちが生じ、なんども同じ

 者を見ていると疑わなくなる。陰は陽の中に内在しているのであり、

 陽の対極に存在するのではない。大いなる陽の中に、実は大いなる陰が

 潜んでいるのである。

 (孫子・三十六計:角川ソフィア文庫 より)

 

  人の心理は、何回も同じものを見ていると、慢心してしまうのです

 それが大掛かりなほど疑いを持たず慢心してしまうのです。

  普段の日常に慣れてしまうと、当たり前になってしまい、疑う事を

 忘れてしまいがちです、日常にこそ疑う目を常にどこかに持っておきたい

 ものです。