第四計 以逸待労 (逸を以て労を待つ)

第四計 以逸待労 (逸を以て労を待つ)

 

  安逸(休養を取り安楽)な状態を持って、疲労した敵を待ち、攻撃を仕掛ける。

 

  この計は、「孫子」のことばをもとにしています。「孫子」軍争篇に、

 「近きを以て遠きを待ち、佚を以て労を待ち、飽を以て飢を待つ。此れ力を

 治むる者なり)こちらは近くに布陣して、遠征してくる敵軍を待ち、こちらは

 余裕のある状態で、疲労した敵を待ち、こちらは満腹な状態で、敵の飢えを待つ。

 これが力を修める方法だ)」とあります。

  具体的な戦例としては、「史記王翦列伝に記された話が有名です。

 

  解:敵の勢を困めて、以て戦わず。剛を損して柔を益す。

  敵兵力が充実している時には、その勢いをとどめて、戦闘行動を起こさない。

 剛強な敵の勢いをそいで、柔軟な自軍の勢いを増強させる。

 

  また、「以逸待労」の計を仕掛けられないようにするためには、なんと言っても

 先手を取ることです。ずるずると長期戦に巻き込まれては、士気も次第に

 衰えていきます。

 

 (孫子・三十六計:角川ソフィア文庫 より)

 

  これは第二計の借刀殺人に近いものがあります。すぐに問題に当たるのではなく

 相手の勢いを削いでおく事が勝利につながります。慌てずに問題に取り掛かりたい

 です。