第二計  囲魏救趙(魏を囲みて趙を救う)

第二計  囲魏救趙(魏を囲みて趙を救う)

  充実した敵兵力を避け、敵の後方を攻撃する形勢を示して、

 敵兵力の分断を図る。

 

  戦国時代、趙国の都・邯鄲が魏国に攻撃されました。趙は同盟国の

 斉に救援を求めます。斉の救援軍が邯鄲に向かう、と誰もが思いました。

 しかし、斉の軍師孫臏は邯鄲に兵を差し向けようとはしません。

 なんと、魏の都・大梁を包囲する形成を示したのです。魏は邯鄲を包囲している

 どころではありません。本国の都が陥落するかもしれないのです。

 ただちに魏軍は兵力を分割して帰国します。その途上、道の両側に高い崖が迫った

 桂陵の地。ここん孫臏の指示を受けた斉の伏兵が待ちかまえていたのです。

 魏軍は伏兵の一斉射撃により全滅。趙は救われました。孫臏はこの戦いで

 一躍軍師として名をあげます。「史記孫子呉起列伝に記載された故事です。

 

 解:敵を共にするは敵を分かつに如かず。敵の陽なるは敵の陰なるに如かず。

 

 敵兵力を集結させるよりは分散させるのが上策である。

 敵の陽(充実)ではなく陰(空虚)をつく。

 

 (孫子・三十六計:角川ソフィア文庫 より)

 

  物事に真正面から取り掛かるのではなく、虚をつくことが重要です。

 そのような視点をいつも持って置いておきたいものです。